【テレビが面白くない】
最近歳のせいかテレビが面白くなくなったと感じます。
ニュースや天気予報以外、あまりテレビを見なくなりました。それは私にとって面白いと感じる番組が無くなったからです。時々昼間に昔の時代劇ドラマの再放送があって、懐かしく思いながら見ていますが、このところめっきりテレビの時代劇が無くなったと感じます。
【時代劇全盛時代】
私の子供の頃から二十歳代まで、テレビの時代劇はほぼ毎日のように放送されていました。
「水戸黄門」「銭形平次」「鬼平犯科帳」「遠山の金さん」「大岡越前」「素浪人月影兵庫」「三匹の侍」「子連れ狼」などなど、どこかのチャンネルで毎日のように見ることができました。
それがいつの頃からか時代劇ドラマが少なくなっていきました。
時代劇ドラマの特徴は、ほぼ例外なく”勧善懲悪”がお決まりの筋書きです。ストーリーに多少のひねりを加えることがあっても、最終的には”悪を懲らしめる”のがお決まりのドラマです。
見る側もそれを解ったうえで見て楽しむのです。そこに時代劇を見る面白さや楽しさがあったのでしょう。
【なぜ時代劇が無くなったのか・・・】
時代劇は制作費用が掛かり過ぎる。
最大の要因は経費が掛かることだということだそうです。セットや小道具、かつら、衣装にもお金が掛かります。
野外ロケができにくい。
昔は野外でロケする場所が多く残っていましたが、今は高速道路や新幹線、高層ビルなど多くなって、地道もアスファルトに舗装され、田舎へ行ってロケをしても”現代”が映り込んでしまう。こうした時代の移り変わりが時代劇を作ることが難しくなった要因だそうです。
従って最近のテレビはお金の掛からない番組ばっかりになってしまいました。
最近の調査では10代から20代の若者の半数が「テレビを見ない」という調査結果が出ています。
テレビは斜陽産業になったのでしょうか・・・。
【チャンバラ映画の時代】
私の子供の頃、最寄りの駅近くには3軒の映画館がありました。
「岡町東映」「豊中松竹」「ヒカリ劇場」の3軒がありました。どれも2本立て上映でした。私の一番古い記憶ではユル・ブリンナ―の「王様と私」をヒカリ劇場で見た記憶です。小学校低学年の頃です。当時高校生だった一番上の姉が見たいと言って、家族で見に行きました。
それから小学校4年生か5年生のときに岡町東映で「新吾十番勝負」を見ました。これは2番目の姉が大川橋蔵のファンで、当時姉の高校の校則で、「1人で映画館へ入ってはいけない」というのがあったらしく、そのため小学生の私をダシに使ったのです。
この時代、映画は庶民にとって身近な娯楽でした。そして、時代劇がまだ人気があった時代でした。
【映画の衰退からテレビの時代へ】
時代が昭和30年代半ばになると全国にテレビが普及し始めます。
テレビの普及とともに庶民の娯楽が多様化して、映画人気に陰りが見え始めます。昭和39年の東京オリンピックで多くの国民がテレビにくぎ付けとなって、映画館から足が遠のきました。
この時代を境に映画産業が衰えていきます。
しかし、それでも映画製作にかかわる人たちの中で、映画の良さを伝えるべく頑張って新作に取り組む少数の映画人が存在しました。彼らは長年の映画作りの経験をもっていて、テレビに対する対抗意識やテレビを見下す意識もあって、テレビを「電機紙芝居」などと揶揄する人もいました。
当時映画界の大スターたちの中には、テレビに出ることを”落ちぶれた”というふうに見る人もいましたし、テレビ出演のギャラよりも映画の方が圧倒的に収入が多かったこともあって、『テレビには出る気はない!』と公言するスターもいました。それだけ彼らには映画人としてのプライドがあったのです。
【映画だけでは食べていけなくなった人たち】
主役級のスターたちはある程度の収入も得ていたし、貯えもあって、映画の本数が少なくなってもすぐに生活には困ることはなかったが、スター級俳優以外の脇役や悪役で映画を支えてきた多くの俳優たち、あまり名前も知られていない、せりふも少ないちょこっと出るだけの俳優さんたちは映画だけでは食べていけなくなってしまいました。
そこで彼らが選んだ道はテレビドラマへの転向です。
映画の世界で多くの経験を積んだ脇役の俳優たちは、テレビの世界でも即戦力として通用しました。
役柄に応じたセリフの言い回し、所作など演出家や監督の演技指導は必要とせず、どんな役柄にでも即対応できる強みがありました。そして、主役俳優を際立たせるための演技力がありました。
【多彩な顔ぶれの俳優たち】
テレビの時代になっても彼らが活躍できる場はいくらでもありました。ほとんど名前を知られなくても、充分顔は広まりました。あらゆるテレビ時代劇で悪役、切られ役、脇役で活躍の場を広げていきました。
また、テレビが大衆娯楽の中心となってくると、映画の世界以外からも多くの役者が参入してきました。
それまで舞台中心だった新劇や新国劇また歌舞伎界の俳優も喜劇役者も、どんどんテレビの世界に入ってきました。
こうした多くの俳優たちはそれぞれの持ち味があって、悪代官、浪人、ヤクザの親分、チンピラ風、商人、貧しい百姓などなど、あらゆる役柄にぴったりと当てはまる俳優たちがいました。
今から振り返ると、彼らの存在があの時代のテレビ時代劇を支えていたと言えるでしょう。
いかに憎たらしく、嫌らしく、悪辣に演じることによって、より一層ドラマを盛り上げる役割を果たしました。
そんな彼らにスポットをあてて、あの時代を振り返ってみようとページを作ってみました。
もうすでに多くの方が鬼籍に入られています。
ご存命の方もおられますが、殆どの方が現役を退かれています。
このページではそうした懐かしい顔ぶれを紹介していきます。
2021年 5月 26日 更新
2021年 9月 5日 追加更新
2022年10月 15日 追加更新
2023年 5月 8日 追加更新
2023年 11月 3日 追加更新
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